[解説] ”x -1 の3次式で” というのはいかにもやっかいです。”2項式 x -1 をひと固まりと考えて・・・”というならばいっその事それらしく見えるようにしておきましょう。
x -1 = t と置けば x = t +1 です。・・・”xの式をいったんtの式にする”ので難しく言えば『変数変換』です。
これを元の式に代入すると \begin{equation} y=(t+1)^3-2(t+1)^2-5(t+1)+1\end{equation}(展開して整理すると)
\begin{eqnarray*}&& y=t^3+t^2-6t-5\end{eqnarray*}
これはまだ答えではありません。”x -1 の3次式に直せ” ですから、さらに t = x -1 を代入して求める式は
\begin{eqnarray*}&& y=(x-1)^3+(x-1)^2-6(x-1)-5\end{eqnarray*}となります。
ところで、これ一体何をさせたいんでしょう? 短い説明ではピンとこないかもしれませんが、よく見る普通(?)の式、例えば問題文の式 \begin{eqnarray*}&& y=x^3-2x^2-5x+1\end{eqnarray*}は原点(0,0) から式を見ているんです。xもyも0からの距離で考えています。・・・xを (x – 0) とするとわかりやすいでしょう。
ところが最後の答えの式は (x – 1)ですね。xは1からの距離で考えているんです。・・・このような式に直すことを ”x=1 の周りで展開する”と言います。
どこで必要になるかというと、、、結構先ですね。高校数学の最後の方、もしくは大学入学後に「テイラー展開」というのが出てきますがそこで使う技はまさにこれです。・・・ここではこれぐらいにしておきましょう。