13/ ( a+b )( c+d )の説明

( a+b )( c+d ) = ac+ad+bc+bd  と計算するのが”普通”だと思いますし、実際自分もこの順で展開しながら計算しています。

これにはそれなりの理由があります。(後述)

さて、英語の数学の本に次のような記述がありました。

( a+b )( c+d ) = ac+ad+bc+bd・・・a,cを Firsts と名付ける

( a+b )( c+d ) = ac+ad+bc+bd・・・b,dを Lasts と名付ける

( a+b )( c+d ) = ac+ad+bc+bd・・・b,cを Innersと名付ける

( a+b )( c+d ) = ac+ad+bc+bd・・・a,dを Outersと名付けます。

で、どうするかというと

“There is a handy way to help us remember to multiply each term called “FOIL“.”

(multiply・・・かける/  term・・・項)

“FOIL” すなわち「Firsts, Outers, Inners, Lasts の順に計算すると覚えましょう」と書いてあります。

FOIL/ フォイル は あのフォイルです。Wrap a fish in foil ! のフォイル(箔)です。ここでは言葉自体に計算との関連はありません。ただある意味を持つ単語になるので『覚えやすい』だろうということでしょう。

でも、これって覚えるものなんでしょうか?

( a+b )( c+d ) = ac+ad+bc+bd・・・aを含むものはこれで全て

( a+b )( c+d ) = ac+ad+bc+bd・・・bを含むものはこれで全て

このようにすれば過不足なく展開したことが分かりやすいからです。これが、最初に書いた ”それなりの理由”  です。この事は、(2項式)x(3項式)など、項の数が増えていけばよりはっきりと利便性が分かるはずです。

確かに、この英語の本も次のように続いています。

( x+a )( 3x+2y+5 )・・・(2terms) x (3terms)の場合

“FOIL” won’t work here, because there are more terms now.

( won’t work・・・役に立たない)

“because there are more terms now” は思わず微笑んでしまいました。そうですよね、使えませんね。