分母が整数の分数は扱いにくい
自然数とは 1、2、3、・・・・・これに 0 と
さらに -1、-2、-3、・・・の集合をすべて集めたものを整数と言います。
[問題] a,bは互いに異なる自然数で,次の式が成立する。1/a+1/b=1/6 このとき,a+b の最小値と最大値を求めよ。
[解説] ”a,bは互いに異なる”・・・この様な場合には大小を付けてしまいましょう。どちらが大きくてもいいので、例えば0 < a < b とします。・・・自然数とありますので当然正の数
この条件のもとで 与式の両辺に 6ab をかけて一気に分母を払うと
6a + 6b = ab・・・まだ文字a、bが両辺に分かれていますね
展開して移項すると
ab – 6a – 6b = 0 ・・・abから始まる形に整理します
ここからが腕の見せ所です。・・・目標を見失わない様に
ab – 6a – 6b + 36 = 36 ・・・両辺に6X6=36を加えます(なぜ?)
こうすると、
(a – 6)(b – 6) = 36 ・・・2つの整数の積が36となる場合は多くない
0 < a < b としてあるので -6 < a – 6 < b – 6 の範囲で考えれば
(a -6)(b -6) = (1,36)、(2,18)、(3,12)、(4,9) ・・・マイナスの数もありうるが、-36、-18、-12、-9が出てくるので不適当
よって (a,b) = (7,42)、(8,24)、(9,18)、(10,15) と決まり
a + b = 49、32、27、25 も計算できる。
求める最小値は 25、最大値は 49 です。
(ポイント)整数がらみの問題のコツは「整数はキリの良い数」という性質を上手に使うことです。四則演算(+、ー、x、÷)で「キリの良い数」を必ず保存するのは +、ーそしてx です。(÷は結果が必ずしも整数にはなりませんから)足し算、引き算、かけ算のどれを用いるかは問題の式によります。
” (a – 6)(b – 6) = 36 ” の変形で重要なところは
(文字を含む整数)x(文字を含む整数)=(文字を含まない整数)
の形を作る式変形だと意識することです。