5/ 壺の中の白球

古典的な問題です。(なぜ壺かというと外から中身が見えないという前提を作るためです。)

[問題] 壺の中にすでに2つの球が入っている。どのようなやり方でそれらを入れたかというと、コインを2度投げ、表だったときは白球を、裏だった時は黒球を入れるという方法であった。 さて、いま壺から球を1つ取り出したところそれが白球であった。この時壺の中の『もう一つの球もまた白球である』確率はいくつになるだろうか?

[解説] 白球を、黒球をで表し、1番目に入れる球、2番目に入れる球の順番で書き上げてみると

○○、○●、●○、●● の4つの場合があります。このうち条件に合うのは

○○だけなので、求める確率は 1/4・・・なんか変ですね???

(A) ”球を1つ取り出したところそれが白球であった”(この出来事を(A)としてみました)というのですから ●● はあり得ません。すると、

○○、○●、●○の3つの場合のいずれかですね。・・・ここまでは問題ありません。

このうち『もう一つの球もまた白球である』のは最初の ○○ の場合にだけ起こり得るので、求める確率は

1/3  である。 ・・・としてしまっていいでしょうか?

上の解答はどちらも誤りです。

さて (A) ”球を1つ取り出したところそれが白球であった” という場合、どの白球を取り出したのかが実は重要です。○○、○●、●○の3つの場合を考えますが、この場合のそれぞれの白球をw1、w2、w3、w4と表せば、上の3つの場合というのは

{w1,w2}、{w3,}、{,w4} と表せます。

(A) ”球を1つ取り出したところそれが白球であった” に引き続き『もう一つの球もまた白球である』ことが起こるのは最初に取り出した白球が w1かw2のいずれかの場合です。 つまり w1、w2、w3、w4のうち条件を満たすのは w1かw2のいずれかなので求める確率は

2/4 すなわち 1/2 です。これが答えです。

[短い解説] ○○(白、白)となればいいのですから、この問題は次の様にもっと簡単な形に直すこともできます。

「1回目のコインが表(白球入れる)だった時点で考えると、その次に『コインの表が出る確率』を求めよ」という問題と同じです。

結局『コインの表が出る確率』を求めることになりますので

答えは 1/2 になります。

この様に単純に考えるのが一番楽かもしれません。